もてなしって、
一生もんだ。

MESSAGE社長メッセージ

僕はよく、みんなに「アリとキリギリス」の話をする。

働き者のアリが夏の時期、一生懸命穀物を集めている間、キリギリスは仲間と一緒に歌ったり踊ったり、一日中遊んで過ごしている。季節が冬になり、食料がなくなってしまったキリギリスはアリの元を訪ねる。けれどアリはこう言うんだ。「夏の間、まじめに働かなかったから、今苦労することになるんだ」って。

このお話は、コツコツと地道に働くことの大切さを教えてくれる童話だ。けれどこの物語が書かれたのは今から300年前。働く人のほとんどが農業従事者の時代だ。この時代は、浪費せず倹約に努め、真面目に働くことが大切だった。しかし現代はどうだろうか。

農業従事者はわずか4%。一方サービス業に従事する人は60%を超えるとも言われている。つまりそれは、圧倒的に多くの消費者が娯楽や趣味などに時間やお金を使っているということである。この時代において大切なことは、人々をいかに楽しませ、喜ばせ幸せな気持ちにさせることができるかどうかだ。

キリギリスは、誰かと一緒に遊びながらお得意の歌とダンスで相手を喜ばせることに一生懸命なのだ。だから僕はみんなに「これからの時代はキリギリスのような人が活躍していくと思う」と話している。相手を喜ばせること。一緒に喜びを分かち合うこと。それが「おもてなし」の真髄だ。

一家のおもてなしはお客様にとっての「一」を大切にすること。一回の挨拶、一杯のビール、一回の食事、一回の記念日。その日、そのとき、その人だけを、特別にもてなす。だからうちのおもてなしにマニュアルなんてない。目の前の人を喜ばせるプロ集団を目指していきたい。

お客様の人生のどの瞬間にも、驚きと感動を届け続けるために、一家ホールディングスは、どんどん違う業態にも挑戦をしていく。飲食、ブライダル、レジャー、インバウンド、はたまたリゾートホテルまで。誰かを喜ばせることが、仕事の根っこである限り、一家のおもてなしは、どの業界でも通用すると、ぼくは思う。

これから先、AI やロボットはますます発展を遂げるだろう。多くの知的労働や力仕事はAIやロボットにとって代わられる時代になるに違いない。だけど、AIやロボットに人を心から喜ばせたり、楽しませたり、幸せな気持ちにさせることはできるだろうか。

100年後も真の意味で人を喜ばせたり楽しませたり、幸せな気持ちにさせるのは「人」だけなのだと思う。だから僕らが日々行っているおもてなしは、一生もんのスキルなのだと信じている。

ぼくたちは、誰かを喜ばせることが嬉しいと感じるキミのような人を待っている。たくさん目の前の人に喜びを届けてほしい。そして、いっしょに喜びを分かち合って、幸せになってほしい。

喜ばせることが大好きな大家族に、ようこそ。

そして、キミの原点におかえり。